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帰って来たかえるのへや

その11)04月01日記

2007.4.1記)その11「不良少女は更正できない」


「悪く想像するとそういう結果になる」みたいな言い方は良く聞くが、
Kaeruは正直それは信じていなかった。
そういう言い方をする人は、
得てして自分に不都合な現実を直視せず、
楽しい夢の中に逃げ込もうとしている人とKaeruには見えた。
が、アカネのケースを見て、本当にそういう事ってあるんだと知った。
少なくともアカネのように攻撃的防御をする子は
それに相応しい攻撃を招き寄せるのだ。

Kaeruはアカネに攻撃するアキラをけして認めたつもりはない。
アカネに過剰に腹が立つ自分をも当然。
アキラがKaeruの心を体現していると言われても一言もないが、
アカネが無理解な周囲の理解をやっと得て経験を積み、
本人自身変わり、花開き、それでめでたしめでたしの結末に
Kaeruは本当になって欲しかったのだ。
が、それでもなおこう思う。
その物語では不完全だ。
これはアカネが蒔いた種が実って帰って来ているのだと。

アキラが攻撃するたびもちろんKaeruはアキラを叱ってはいた。
とっさの攻撃に小柄なアカネは逃げるだけで精一杯だった。
仕返しにも行かなかったので、一層哀れを誘った。
が、アキラの行動はそれでは納まらなかった。
これが続いてはアカネは耐えられずキレる。
せっかくアカネが得た平安が元も子もなくなる危機感をKaeruは持った。
それはある意味正しかったのだが。

結果を先に言うとそういう事態がある程度続いた後、
アカネは自分からアキラに寄って行って
突然引っ掻くようになった。
アカネが一旦やる気になったら
アキラが仕返しに行かない(行けない)のは当然の事だ。

アカネは今までの生まれつきの?いわば無意識な攻撃的防御でなく、
自らの意志で、攻撃による、恐怖による統治を選び直したのだ。

仕返しに行く程「相手」の存在の認識ができるようになったと
この子が本来持っていた生き物感覚の鈍さが
改善されたと喜ぶべきか、これは?
でも、障害論はさておいて、本当なら?これは
自分が周囲にひどい事をしたから仕返しが来るんだと理解して、
頭を下げて下げ尽くし、アキラと仲直りするべき状況だとKaeruは考える。

が、そんな責任感や忍耐力が弱く、その上過敏で傷つきやすく
すべて自分が被害者だと受け止め、逆切れするからこそ
アカネは攻撃的防御をしていたのだと思う。

不良少女は悪い仲間から抜ける時、
仲間のリンチを食らう事くらい想像できる。
それがどんなに激しいものであろうと一時の事なら案外堪え忍べる。
が、真人間に復帰した気の不良少女を待っているのは
「失われていた小羊よ、良く帰った」と
諸手を広げて歓待してくれる周囲ではない。
今まで彼女が暴力(とか知力とか特異な高い能力)で
安々と組み伏せていた取るに足らない無能で無力な蟻どもが
露骨に、あるいは陰にまわっていつまでも彼女の過去を忘れず
彼女の変化を信じず、彼女を攻撃し、疎外する。
キレやすさが身上の甘ったれた不良少女は
「周囲はわかってくれない」と周囲にすべての責任を負わせ、
もう一度暴力で楽にトクできる古巣に戻る。
自分の気付いた事には目をつぶって。

これはアカネに当てはめるにはあまりにずれた例え話と思われますか?

 
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